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コラム「交通安全対策特別交付金(特交金)とは」


特交金ってなーに?

反則金=特交金ということはご理解いただけたと思いますが、その肝心の「特交金」て一体何なのでしょう?


・交通安全対策特別交付金制度の概要(総務省発表資料より)

  1. 交付金の目的交通安全対策特別交付金は、昭和43年に道路交通法の改正により創設された交通反則通告制度に基づき納付される反則金収入を原資として、地方公共団体が単独で行う道路交通安全施設整備の経費に充てるための財源として交付するものであり、もって交通事故の発生を防止することを目的とする。
  2. 交付金の総額交通反則金等収入(運用益を含む。)から通告書送付費支出金相当額等を控除した額
  3. 交付金の使途交通安全対策特別交付金等に関する政令で定める道路交通安全施設の設置及び管理に関する費用(例示)・信号機・道路標識・横断歩道橋・さく(ガードフェンス、防護柵)・道路反射鏡(カーブミラー)
  4. 交付基準各地方公共団体の区域内における交通事故発生件数、人口集中地区人口及び改良済道路延長を配分指標として、それぞれ2:1:1の割合で交付額の算定をする。

とありますね。
交通違反で徴収した財源で、交通違反をさせないためや安全に走行するための設備や表示を整備しましょう、ってことですが。
ここでクセモノになってくるのが4番の交付額算定なんですよ。
当然と言えば当然なんですがね。交通事故発生件数が一番のウエイトを占めるんです。事故が多いところはより多く対策せい!ってことですよね。
しかし逆に言えば、これも当然の帰結で「交通事故が減ると交付金も減る」んですねー。
そうなると警察の天下り法人や特定企業が儲からないじゃないですか。談合天国の道路標識等設置工事や信号機工事、警察OBの天下り会社でほぼ独占してる信号機メンテナンスとか。
すると最終的には警察も困っちゃうんですよね。儲からないので。天下れないし。ソデの下ももらえないし。
だもんで「事故発生件数」には減って欲しくないんですよ。正直な話。
人口は警察の力でどうこう出来ませんから、道路を無駄に作りまくって、安全対策をせず、標識だけはやたらに立てとけばウハウハなんですねー。
あら。つながりましたよ。「国土面積に対する道路総距離の比率で言えばダントツのNo1です」の理由がこれですね。



特交金予算案


わが国では毎年800億円前後の反則金が納付されています。
この反則金が「特交金」になる訳ですが、総務省と警察庁が協議をして翌年の予算を決定しています。その予算のほぼ100%反則金でまかなわれています。
特交金予算案


まぁ予算組んだところで歳入は反則金(と前年の残りが少し)しかあり得ないんですから当然なんですが、予算より反則金が足りないんじゃ困っちゃうんですよね。
それが「警察のノルマ」になるわけですよ。分りやすいですね。



交通違反の反則金(罰金)一覧

反則金一覧表

上記の一覧を見たらそれこそ一目瞭然ですね。


危険性の高い違反は軒並み「罰金」となっています。社会通念上これは致し方のないことです。て言うか当たり前です。
しかし、そうなるといくら取り締まっても警察は潤いません。国庫に入ってしまうからです。


だもんで警察の実際に取り締まっている交通違反というのはこういう具合になります。
交通違反検挙数


これまた一目瞭然ですね。
上位5
1.スピード違反(30%)
2.携帯電話使用違反(16%)
3.一時不停止(14%)
4.通行禁止(10%)
5.信号無視(9%)


ええ、捕まえやすく、反則金の取れる違反ばかりで全体の8割を占めています。儲かりまっか?ウハウハでんなー。
危険な飲酒運転などわずか0.5%。あれだけ声高に「飲酒運転追放!!」と叫んでいるのに大して取り締まっていないんですねー。
いっつも同じ場所に停まっている車。住宅街などでもよく見かけます。保管場所法違反ですがあれも罰金刑なので取り締まりません。
え?別に危険じゃないじゃん! ←て意見が通るならそもそも駐禁場所にしなきゃいいじゃないですか。保管場所法の存在意義もありません。

ついでに行政処分の告知件数に含まれる「シートベルト装着義務違反」は点数のみの違反ですが、検挙率アップ!というノルマのためにこれまた頻繁に取り締まりされます。
その数なんと年間およそ200万件。違反検挙総数の約18%〜19%を稼いでいます。ええ、捕まえやすいんですよ。


個人的な感覚で言えば「別に他人に全く迷惑を掛けていない、ただ単に自分の安全を守るだけの装置」であるシートベルトを、こんなに目の色変えて取り締まっておいて 「重大事故につながり、他人の生命や財産に著しく影響を及ぼす可能性のある」飲酒運転の取締りが少ない。
それでいて「違反は違反、悪だ!」などとタテマエだけ振りかざしたやり方が、国民の安全を守っているとは到底思えません。
そもそもシートベルトなんぞ、死にたくなかったら自分で勝手に着けたらいいんです。死にたかったら着けなきゃいいんです。自己責任レベルの話ですよね。
二輪車のヘルメットも同様です。欧米でもヘルメット着用は義務じゃありませんが、安全重視な人は自発的に被ってます。自転車ですら被ってます。
事故件数は減らしたくない。けど死亡事故が多くてもマズい。お手軽に検挙件数も増やしたい。それがこのシートベルト規制です。


と、つい横道に逸れましたが。もちろん「飲酒の検挙率は、飲酒運転自体の絶対数が少ないから!」という反論があるのは承知しています。
ですがそういうのは頻繁にやってるシートベルト検問や信号の陰でこそこそ取り締まっている一時停止や信号無視と「同じだけの回数」の取締りをやってから言って欲しいもんです。
精々がとこ年末年始や交通安全週間の期間中くらいしかやらない飲酒検問。そんな程度でなにが撲滅ですか。笑わせないで下さい。


危険な交通違反は更なる厳罰化で対応!(実質的な放置)
捕まえ易い交通違反だけカモン!!!!(反則金クレクレ)


これが警察の実態です。
ちなみに、危険な交通違反の厳罰化をすればするほど、ひき逃げの件数は増大しています。

こうして徴収した反則金を特交金として警察が貰いうけ、談合入札した業者や○○協会などの天下り団体にバラまくのです。



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