駐禁反対.COM

駐車車両に係る交通事故


〜本当に駐車車両だけが悪者なのか? Part2〜

Part1で事故の全体像と、主に自転車について触れましたが、ここでちょっと視点を変えて歩行者にスポットを当ててみたいと思います。
コラム「歩行者の謎」と被る内容もありますがそこは平にご容赦を。


歩行者は「交通の世界」では圧倒的弱者であり、常に保護の対象になっています。もちろんこれは当然のことですね。
ですから車両は歩行者に対し、安全を配慮する義務があります。
しかしその割には悲しいことにドライバーの意識はさほどでもなく、「歩行者のいる横断歩道では必ず一時停止して歩行者優先してますよ!」と言えるドライバーはほぼ皆無でしょう。
かく言う管理人も残念ながらそこまで徹底できません。本当はしなくちゃいけないんですけどね。


しなくちゃいけない、とは分っていても実際の道路においてそれを100%実行するのは至難の技です。状況によっては逆に事故に繋がる場合もあります。
それに(正当化する訳ではありませんが)現在の交通事情において歩行者を常に優先すると車両の運行は大混乱を来たします。たぶんあちこち大渋滞でしょう。
ましてやそれが横断歩道のない車道部分であれば、圧倒的大多数のドライバーが「こんなトコ渡りやがって!」と思うのが普通じゃないでしょうか。


しかし実は道交法上、歩行者は基本どこを渡ってもいいんです。知ってました?
ただし
1、約30m以内に横断歩道がある場合、横断歩道を渡ること(車道じゃダメ)
2、横断禁止の規制のあるところ
3、自動車専用道路
4、車両の直前または直後(他者から死角になる横断の禁止)
そしてスクランブル交差点を除く斜め横断の禁止。これしか規制がないのです。


横断禁止の標識さえなければ、交通量のそこそこある幹線道路でさえ、堂々と渡っていいのです。
この現実、歩行者・車両の双方にとって安全だと思います?しかしこれが法律です。現実味など欠片もありません。
そして更に「車両の直前または直後」は横断禁止と法律で定めているにも関わらず、悪者は駐車車両です。


歩行者は保護すべき、これに異を唱えるつもりは毛頭ありません。
しかし保護すべきならば、歩行者の側にもそれに見合った規制は必要であり、ただ優先すればいいというものではありません。
そして歩行者を優先するあまりに道路交通や地域経済にまで影響を及ぼすようであれば尚更です。


何度もいいますが、事故がゼロになるのに越したことはありません。だからと言ってただ車両を規制すればゼロになるものでもありません。
法定速度を遵守していても事故は起こります。だからって法定速度を0kmにはしません。
とまーるエンジンが止まっちゃうくらい一時停止しても事故は起こります。じゃあ常に止まってましょうか。
信号を100%守っていても巻き込み事故は起こります。いっそ交差点など無い世界にしましょうか。
そうですよ。車なんて危険の塊ですよ。じゃあ車はもう地球上から無くしましょう。排ガスも出ないし一石二鳥だ。
・・・極論ですが、警察の駐車規制はこういうレベルのことを言っているようにしか見えません。


歩行者も車両もどちらも事故になんか遭いたくありません。怪我をするのも死ぬのもイヤです。
だからといって現実味のない交通規制などあり得ません。
もちろん全ての駐車を容認するものではありませんし、迷惑な駐車があるのも事実です。
必要なのは「現実味のある適度な規制」というだけではないのでしょうか。
警察は車を悪者にし、取締り対象としてアピールし、歩行者の「安全」には配慮などしないのです。



>次コラム 『警察との駐禁問答』

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