駐禁反対.COM

〜駐車規制の国際比較〜


欧米諸国と日本 〜日本は本当に狭いのか〜

ただ一概に「ヨソはこうだ!」と言っても説得力がありませんのでちょっと世界の主要都市との比較なぞ。

表-世界の国面積(1〜80位)
表-世界の人口(1〜30位)
表-世界の人口密度(1〜30位)
表-世界の国内総道路距離(1〜30位)


日本は国土面積61位です。これだけ見ると「狭小な国」では決してありません。
ちなみに人口で10位、人口密度で13位です。人多いですね。
しかしながら山岳地帯の占める割合が多く、およそ7割が山です。
山岳地帯とは言え人の住める部分であったり農地であったりの面積もありますので、正確に言えば森林 : 66.3%、農用地 : 12.4%、宅地 : 5.0%、道路 : 3.6%、 水面・河川・水路 : 3.5%でその他 : 9.2%という比率になっています。(総務省 統計局:2010年)
日本地図国土利用状況2010


しかし不思議なことに、道路総延長距離を見ると、なんと堂々の第5位。国土面積に対する道路総距離の比率で言えばダントツのNo1です。ケタが違います。
こうやって見ると確かに広い国ではありません。とは言え上の地図を見ても「え?山岳たって人住んでるじゃん」みたいな地域いっぱいあります。
管理人にはとても宅地5.0%という数字は信じられませんが。だって関東平野だけでも平野部が4.5%あるんですよ?
そしてその大して広くない国土に、異常な総距離を誇る道路があります。ホントに3.3%なんでしょうか。120万kmもあるんですよ?
ちなみに「都道府県の面積一覧(Wikipedia)」によると
宅地面積(1999年):21,475km2(5.7%) 可住地面積(2001年):121,343.23km2(32.1%)です。


とまぁ立証できない数字はさておき、日本に限らず都市部に人が集中するのは世の常です。
下表は世界の代表的な都市を抜粋した比較表です。
表-世界の大都市抜粋
コラム 「世界の代表都市での比較」


こうして見ると、都市部に付帯する地域を含む「都市圏」だと確かに日本はダントツで人口密度が高いのが分ります。
しかし都市部限定の人口密度で言えば、パリがダントツで次いでマンハッタン、そして新宿区が来ます。
日本三大都市のひとつである名古屋の中区に至ってはベルリン・ミッテ区よりも低い数字になっています。
三大都市ではありませんが、東京についで人口の多い横浜市の中心部・中区でも人口密度は7,070人/km2となり、諸外国と比べ低い数字です。


ついでと言ってはナンですが、日本と比較されることの多いドイツを例に詳細な比較をしてみました。
次々章で紹介していますのであわせてご覧下さい。


実際には”商業施設の多さ”も問題になってくるので、単純に比較出来ないのも承知ですが。
それにしても日本だけが「駐車が全ての悪の根源だ!」なんてスタンスはどう考えても無理があると思いませんか?
狭いのはなにも日本だけではありません。古い建物が多いヨーロッパの市街地では路地が非常に狭く、また個人宅の駐車スペースが限られているため、車は路上駐車が当たり前です。

オランダの住宅地ドイツの住宅地

著作権表示Google


道路の片側一車線はほぼ駐車場になっています。 映画に出てくるような豪邸、つまり一部の富裕層でもなければ「ガレージつき一軒家」になど住んでいないのです。
そして下の図表をご覧いただければお分かりのように、人口あたりの車保有台数でも、欧米諸国に比べて高い数字ではありません。
乗用車に限って言えば、意外に低いアメリカに次いで下から2番目ですね。ということは人口密度こそ高いものの、車密度はさほどではないのです。


車台数/人口

どうにも我々日本人は「日本は島国で山多く、土地が狭いんです」という刷り込みによって「狭い土地に駐車なんてけしくりからん!」というカラクリを受け入れてしまっているだけのように思います。
まぁ仮に(一万歩くらい譲って)日本が本当に狭い国としても、現状の駐禁取締りで「放置」だけ取り締まっている=人が乗っている駐車車両は減らない、という図式が成り立っている以上、 少なくとも繁華街の違法駐車は全くと言っていいほど減っていないのが現状です。
駅前に出てみれば、道路の左側には今日もビッシリと車が停まっています。けど交通に大した支障はありません。警察も改善する気などありません。逆にこれらの車両を取り締まると日常生活にすら支障をきたします。
しかし異常な駐車規制だけは相変わらず存在するのです。そして必要な駐車が取り締まられ、本当に危険な違反車は野放しのままです。



>次コラム 『世界の代表都市での比較』

▲ページ上部へ

inserted by FC2 system