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〜謎の組織・公安委員会〜


公安委員会とは

近年、なにかとよく耳にする「○×委員会」という組織。
これが現代のダメダメ公務員である「教師」「警察」を管理するための組織である。
学校組織には「教育委員会」、そして警察組織には「公安委員会
この「管理する組織」というのが名目だけのものであり、実際にほとんど機能していないのは、教職と警察に横行する不祥事やモラル低下を見れば一目瞭然である。


さてこの委員会という組織は一体何なのか。

1.中央集権体制を地方分権体制とするため、戦後のGHQによってその原型が作られた。
2.設置目的に、政治的な中立性と独立性を確保することが掲げられている。
3.知事の任命権は形式的に過ぎず、公募や公選でもなく、内々で選考されている。
4.委員は、月に数回の会議にでるだけの非常勤で構成され、名誉職の色がきわめて濃い。
5.合議制の会議は密室で行われ、決して公開されることはない。


そうなんですね。戦後の法改正の際、国家により絶対的な権力を持たされていた警察と、思想的な教育を施していた学校に対し「政治的な中立性と独立性を確保する」という目的を持って作られた経緯があります。
更に「中央集権」から「地方分権」も考慮され、各都道府県に委員会が設置されることとなったわけです。
さてここで問題の「公安委員会」に的を絞ってみます。

参考:教育委員会と公安委員会(PBI - 交通行政監察官室)


公安委員会 組織図
著作権表示PBI - 交通行政監察官室

公安委員会制度は、警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられたものであり、国には国家公安委員会、都道府県警察には都道府県公安委員会が設置され、警察の上級行政庁としてそれぞれ警察を管理していることになっている。
ところが実際には公安委員会は有名無実な組織であり、教育委員会が事務局を持ちそれなりの事務吏員を抱えるのに対し、全国の公安委員会に事務局はおろか、独自の事務スタッフさえ存在しない。いるのは公安委員会室担当の警察官である。


警察を管理するはずの公安委員会の事務を、管理されるはずの警察官がやっているのだから、まるで笑い話だ。ちなみにこれは「警察法」という法律で明文化されたシステムである。いかに適当な組織かよく分ります。


ちなみに教育委員会は数多の権限(特に人事権)を有した組織であるが、公安委員会には実質的な「権限」というものがない。
公安委員会に基礎的な人事権はなく、警察庁から送られるエリート達がこれを取り仕切っている。また公安委員会の存在によって、都道府県は都道府県警察を管理することができなくなり、事実上、都道府県警察は警察庁の直轄組織となっている。
そんななか、独自の事務スタッフも執務室もなく、ぐるりと警察幹部に囲まれた会議に週に1度出席する非常勤の老人たち(公安委員)に、はたして何ができるというのだろうか。
実際問題、各公安委員会の持つ権限のほとんどが警察もしくはその外郭団体に委任されている。


先日、こんなニュースが報道されていた。


【国家公安委員長、交通違反の取り締まりに苦言】

古屋国家公安委員長は4日の閣議後の定例記者会見で、警察による交通違反の取り締まりについて、「取り締まりのための取り締まりになっている傾向がある」と苦言を呈し、あり方を見直す必要があるとの考えを示した。

 古屋委員長は「取り締まりは事故防止に役立つことが大切だ」と指摘。歩行者のいない50キロ制限の片側2車線の直線道路を例に挙げ、「交通の流れで70キロくらい出る。そういう所(での取り締まり)は疑問」と述べた。欧州では歩行者が多く道路の幅が狭い街中などで厳しい取り締まりをしているという。


大いに賛同できる意見です。正にその通り。是非とも見直しを実行して欲しいものです。
しかしですね。それ以前にです。
記者会見で苦言もいいですが、警察の取り締まりや規制の決定、その他ガイドラインはすべて「公安委員会が決めたこと」らしいですよ?
こんな記者会見で苦言を呈するということは、逆に言えば普段は公安委員長としての仕事なんぞしていない、ということですね。
普段からちゃんと管理・運営していれば苦言など呈さずに済むのですから。
公安委員会が名ばかりの組織なのが良くわかるというものです。



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